プロデューサー” +R “である。
naomi onの起動が間近に迫った頃。
外部パーツによる機能拡張を決議。
目立たぬようSサイズの人型を用意し、
演奏会では隅の方にレイアウトしてある。
型番:A井-2012xs
機能はルンバ程度だが、燃費が魅力だ。
naomi onと違い、養分や褒美の必要がない。
その分短命だが、スペアにも事欠かない。
半分に切ると各々再生して増えるのだ。
愉快なので過度なストレス解消に良い。
naomi on起動当初、わたしの住処がA井だらけだった理由がこれだ。
さて、このA井を参入させた一人の男。
名を「F本」という。
彼はnaomi on設計製造の発起人と言ってよい。
人間界に於いては既に巨匠の風格にある。
例え真っ白な物を前にしても、彼が一言
「ほぉ、これは真っ青やね・・・。」
と呟けば、それに抗える者など居ない。
漫画カメラで撮ると極上の画に仕上がる男としても知られる。
座右の銘は「皆目やな・・・。」のようだ。
もし演奏会場内で巨匠らしき男を見かけたら、
恭しく道や空間を空けるようお勧めする。
彼の機嫌が最高に良好な状態であれば
「・・・まあまあちゃう?」
との賛辞を受け、あなたは事なきを得る。
naomi onでさえ彼の「まあまあ」は片手にさえ余る回数しか頂けていないが。
彼女がいつか、彼にとって最上級の賞辞、
「・・・まあ、ええ方なんちゃう?」
を与えられるその日まで。
長い道のりになりそうである・・・。