プロデューサー” +R “である。
naomi on の語りは、しばしば迷走する。
ステージ上でも遠慮はない。
MCは迷走
客は瞑想
夢は並走・・・
そんな惨状を幾度も目の当たりにした。
あのやるせなさは筆舌に尽くし難い。
予防策を怠った訳では断じてない。
うなじにリセットボタンは付けた。
が、ボタンは酷使し過ぎて奥まった。
ボタン構造が迎える末路だ。
その為このバグはもうしばらく続く。
当面は席上で心置きなく瞑想されよ。
そんなバグ満載の彼女が、音楽表現とは別に会得しようと励んでいる物事がある。
わたしは確かに「精進」プログラムは書いた。
それをどう解釈したのか、格闘術を始めたのだ。
どうやら自身のモデルである「下石奈緒美」と張り合う気のようだ。
近々、剣術まで伝授される運びらしい。
それで「下石奈緒美」を倒せるかは不明だが、みだりに辻斬りなど始めた場合はプログラム削除するつもりでいる。
但し、わたしが動くのはあくまで事後。
前にも述べたが、彼女に悪気など無い。
悪気は無いが、良心も無い。
それらの原因も何も無い。
何も無いが故に邪念が無い。
邪念を超越したもの。
それがnaomi onなのである。
処理スペース自体が無い、とも言う。
次の演奏会は一月十六日。
あなた方の中から最初の犠牲者が出ぬよう切に願う。