プロデューサー” +R “である。
わたしは兎だが一応は人的挨拶も認めておく。
ことよろ。
さて、naomi onの記憶容量は1.2MBである。
その為、己の基本情報だけで満杯となっている。
この現状を「魚肉ソーセージ状」と呼んで久しい。
いわゆる、ぱつんぱつん、なのである。
外部パーツA井は、naomi onとは年式さえ違えど製造月日が一日違いである。
これが判明した時の彼女の反応はこうだ。
「えー!そうなんですか!すごーい!!」
何がすごーいのか兎には見当もつかぬが。
そして後日、再び同様の話題が出た。
にも関わらず、彼女の反応はこうだった。
「えー!そうなんですか!すごーい!!」
A井は、ある一線に触れない限り無抑揚な生き物のようで、このやりとりを根気よく数千万回は繰り返したと記憶している。
見兼ねたわたしは、無線記録装置を携帯させた。
「A井の製造日」などという気が遠のく様な無味な情報であっても、人間社会ではそれ相応の対応が求められるとういうもの。
そんな訳で現在は暫定的に容量以上の記録が可能だ。
但しこの装置はメンテ時に記録削除が必要。
もしあなた方が上述のような対応をされたら。
そのnomi onはメンテナンス直後なのである。
彼女に悪気など無い。
悪気を発動する容量など何処にも無いのだ。
だから激高などせず情報の再入力をお願いする。
その情報が僅かでも彼女に益をもたらすならば
暫くはあなたを覚えている事が出来る。
筈なのだが。
なにぶん無線なのでな・・・。