それは、良くも悪くも非日常的な感覚の世界だった。
必死に闘っていた。
それ自体正しいかどうかもわからなかった。
ただ、その真実の中にある幸せを、本当に大切なものは何かをずっと探していた。
自分の為じゃなく、誰かの為に。
いや、それは自分の為でもあった、確かに。
ただ、信じたいものを信じるのが人である。
その城の中で外の世界と遮断されている時間が続く中で、何が答えかわからなくなっていた。
自分の感覚さえ定かではなく。
未だ、何が正しいかなんてわかりはしないけれど。
ただ、その扉の外に道が無くとも開けなければならないと感じた。
毎朝、感じた喉の引っかかりのようなものは、今は小さくなっている。
まだ決して解決したわけではなく、扉の外にも歩くのが困難な道が続いているとわかっている。
でも、歩くことにする。
その道が途絶えるまでは。
今は急がなくてもいい。
そう思って、少しでも穏やかな日々を願うばかり。
見えない困難を抱えて皆が闘っている。
私はこういった瞬間が来るたびに思い出す。
まだ生きていると実感した時のことを。
闘える今がここにあることが、何より幸せなんだと。
今朝、崖の上の孤立した土地で太陽を浴びながら生を感じる夢を見た。
暖かく、優しい夢。